その砂丘の先は、本当にオアシス?
開発案件等で企業をサポートしていると、後半に販売戦略などマーケティングに関するご相談を頂くことがままあります。
つい先日も、開発を完了した製品の技術的・商業的な最終評価結果をまとめてご報告したところ、想定を上回る好成績だったためか、後日仕向け先の追加修正についてご相談いただきました。
こういった場合、安直によく候補として挙がるのが「東南アジア」や「中東」なのですが、これは失われた四半世紀による弊害だと思いますが、多くの日本人がこれらの地域を未だ技術的に下に見ており、迂闊に事を進めてしまうと思ってもみない結果となる危険性が高く、投資が大きくなりがちな製造業においては、特に注意が必要です。
事実、ASEAN諸国はこの四半世紀、教育・研究・開発の分担を、大学・国立機関・企業などに国主導で体系化することで、驚くべきスピードでのレベルアップと、世代格差が少なく選手層の厚い産業構造の構築を遂げましたし、中東においても、例えばイスラエルは欧米と肩を並べる技術大国であり、それに肉薄してUAEも追従しています。
さらに、様々な規制で雁字搦めになるという本末転倒な状況が少なく、小規模なベンチャーであってもダイナミックな活動を当たり前にできる土壌があるため、余程の先進技術でもない限りすぐに吸収され、あっという間にさらに高度なものに転化されてしまう。つまり、簡単に言えば、日本の高度経済成長期における自動車産業のようなものです。
この手の概況観察は趣味なのですが、改めて分析してみると、彼らには常に油断できない脅威や課題があり、切磋琢磨・自己研鑽がナチュラルに継続する環境である。というのが日本と決定的に違う点で、その結果、ことエンジニアリングとその関連産業において彼らはとてつもなく柔軟で頭が良い。
いま考えてみると、大学時代に中東から留学してきていた現地王族の同級生が、社会的・経済的には何の心配も無いはずなのに、なぜあんなに危機感に満ちた勉強熱心だったのかが判る気がしますね。
とはいえ、お客様のニーズを出来る限り汲み取り、実現するのがコンサルタントの役割なので、今回の製品にとって最も適切な仕向け先と、それに向けて準備すべき技術的・商業的な項目についてアドバイスし、そのサポートを来期の契約内容に追加させていただきました。




