バケツは偉大。
研究開発においては、専門的な計測器などが必要になることが多くあるのですが、得てして非常に高価なので、それらに対するスタンスというのは、状況や会社・個人の思想で大きな違いがあります。
ただ、少なくともエンジニアであれば、様々なメリット・デメリットを考慮して、本当にベストな方法は何か?をまず検討するのは定石で、それが無ければ大変な無駄遣いをしてしまう可能性が高くなります。
まだエンジニア歴2年くらいの時、ある製品の部品同士の吸着力を測定する必要があり、専門的な引張試験機の価格を調査すると、数百万円では届かないレベルのものだったのですが、当時の会社は必要であれば価格関係なく購入するというスタンスでした。
ここで、個人的にその価値を見出せなかったため、社内が試験機の購入申請を準備している最中に、片方の部品にバケツをぶら下げ少しずつ水を入れていき、部品が剥がれた瞬間に水を止め、その重量を体重計で測定するということを繰り返して吸着力に換算したのですが、実験方法を含めてお客様に報告したところ、何のクレームもなく受け入れていただき、むしろクイックな対応を喜んでいただいたということがありました。
実験のあと水は花壇に撒いたので、かかった費用はほぼゼロだったのですが、これは今でも忘れられない経験のひとつですね。
もちろん、コストダウンばかりが良いわけではなく、必要なコストはしっかり払うべきだとは思うのですが、重要なのは「コストに見合う価値があるか?」「使うべきところにコストをかけているか?」だと思うので、主観的にも客観的にも、その感覚を忘れないようにしていきたいものです。




