頭に刺さった羅針盤。

誰しも、仕事において尊敬する人がいるのではないかと思いますが、自分には、特別な尊敬を申し上げている方々が3人います。

その偉大な先輩方の一人からいただいた、エンジニアとして迷ったときにいつも思い出す羅針盤のような言葉があります。

それは、「本物のエンジニアなら、紙とペンがあれば幾らでも仕事ができるだろ!」です。

その方は、一騎当千を地で行くような凄まじい能力の持ち主で、工具・計測器・プログラミング・語学・機械設計・特殊機器。。。あらゆるツールを完璧以上に使いこなし、極めて高いレベルの理論と技術者倫理で、時には1万組織の方向性を個人でひっくり返しながら誰も不幸にしないなど、その天才的な仕事っぷりに畏怖の念すら抱いたものです。

その傍らで仕事をさせていただいていた時、当時の自分では手のつけようの無い問題に当たり、深夜のデスクで頭を抱えていると、帰り際にポツっと先ほどの言葉をいただきました。

非常に鋭く厳しい方だったので、それまで何度も自分の欠点をズバリと指摘されていたこともあり、その時は真意も分からず、また仕事の姿勢にダメ出しをされたものと思い込んで勝手に気を落としていました

ただ少しして、問題解決がなかなか進まない根本原因は、与えられた環境や条件に縛られた活動しか出来ていなかった点にあると気づき、白紙にすべてを書き出し、それを元にそれまで手を付けていなかったアプローチを編み出すことで、事態が一気に解決に向かっていきました。

その時はじめてこの言葉の真意に気づき、何だかんだ言って恵まれた環境に甘んじていた自分を見抜き、ストレートに律してくれた、その厳しくも深い思慮に触れて目頭を押さえたことを覚えています

それ以来、この言葉はずっと頭に刺さっており、足りないものは紙とペン、許された時間と資金を材料に、自分で作ればいいと腹をくくり、多少の難題でも立ち止まることは無くなりました。

そして、最近携わったコンサルティング案件でこの言葉にまた後押しされることがあり、改めて偉人への尊敬を深めると共に、ただただ感謝しています