いい油といい湯。
自動車産業出身ということからか、色々な分野の方から今後の自動車電動化と内燃機関の行方を尋ねられますが、ことさら最近はその機会が多くなってきました。
実際のところ、コロナ禍の影響だけでなく、排ガス規制の方向性なども含めて数か月単位で目まぐるしく変わっているため、予測は極めて難しいのですが、未来のことは誰にも分からないという前置きで、個人的な見解としては総じて
- 内燃機関自体は無くならない。
- 地域の特性に応じて、電動化の形態は大きく変化する。
- いずれにせよ、ピュアEVのマーケットは限定的となる。
- 同時に、ピュアICEVのマーケットはほぼ消滅する。
- ガスや合成燃料のシェアと、それを下支えする再生可能発電の成長に電動化の形態が大きく左右される。
- セグメントごとに電動化の形態は異なるが、特にトラックのディーゼルは燃料電池に取って代わられる。
- 定置発電やマイクログリッド発電が成長し、それに使用される内燃機関が増える。
といった感じです。
よく技術関係の方から、熱効率の観点で内燃機関の優位性を語る声を聞きますが、どちらかというと「効率云々は関係なく、とにかく化石燃料を使わない」という、イデオロギー的なものがトレンドの本質なので、いかに燃料をカーボンニュートラルにするかというのが重要なのではと考えています。
特に、合成燃料の供給は大きなカギで、もし日本が世界的に見ても潤沢な地熱をこれに積極活用する方向になれば、動力源というより補機的な位置づけかも知れませんが、かなりの割合でハイブリッドというかたちで内燃機関は残るのではないかと思います。
ただ、エネルギー利用できる地熱が得られる地域のほとんどが国有地や国立公園内にあるので、国策に大きく影響されるのかなとも思います。
同じ地下から汲み上げるエネルギーでも、温暖化の観点からは石油とは大きく異なる地熱ですが、あまりに地味であるが故にほとんど注目されていないのが残念で、かけ流しの温泉で、もしその湯舟のお湯を水から燃料で温めていたらと考えると、エネルギーの規模も感覚的につかめると思います。
次に温泉につかるとき、そんなことを考えていただけると、これからの環境を考えるきっかけになるかも知れませんね。




